生活者主権の会生活者通信2005年06月号/04頁..........作成:2005年06月13日/杉原健児

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民主党幹部・秘書各位「道州制についてお尋ねします」

生活者主権の会道州制実現推進委員会委員長 平岡昭三

(一)私達は、民主党支援の、政策提言型、市民運
 動の会であります。 今回の補選敗退の真因は、
 「自民党と根本的に異なる基本政策確立の不足に
 ある」と存じます。そこで質問です。党のマ二フ
 ェストに、基本政策として掲げられて来ておりま
 す(一番)「道州制実現の標榜」を、私達も熱望
 致しておりますが、最近、党内には、「道州制を
 標榜するか否かは、後回しにして、先ず、基礎自
 治体を強化すべし、そして、広域行政は、府県連
 合体などで処理出来ないかを検討し、その上で、
 どうしても道州制が必要か否かを決定すべし、そ
 の方が現実的だ」という意見、即ち(二番)「基
 礎自治体強化先行型意見」の考え方が出て来てい
 るように思はれます。そうなりますと、この国を
 道州制に持っていく必要は無くなるかもしれませ
 ん。そして更に、そうなりますと、マニフェスト
 に「道州制標榜」を掲げるわけには、いかなくな
 る理であります。そう致しますと、之では、民主
 党の特長が無くなってしまうのであります。  
                       
(二)然しながら、私達は矢張り、長らくマニフェ
 ストに掲げられて来たように、「道州制標榜を基
 本政策に明示し、選挙に向っては、その必要性と
 メリットを、全員統一して、有権者に熱く説くべ
 きだ。」と思うのであります。即ち(一番)「道
 州制標榜先行型意見」の考えであります。勿論こ
 の場合も、基礎自治体強化の考えには、変わりあ
 りません。但し、府県は、屋上屋ですからなくな
 ります。                  
  就きましては、先生は、(一番)と(二番)の
 どちらのお考えを取られるのか、率直な処を、お
 聞かせ賜りたくお願い申し上げます。勿論、党内
 多数意見が二番型となればなったで、兎に角早く、
 意見を統一し、明快な基本政策を樹立され、一丸
 となって、政権奪取に向われる事を切望するもの
 であります。                
                       
(三)尚、私達が考える「道州制標榜先行型意見」
 に就いての「必要性」と「メリット」は、釈迦に
 説法ではありますが、次ぎの様に考えております。
1)先ず、その必要性であります。そもそも、民主
 党立党の基本精神は、「諸悪の原因は自民党によ
 る、長年の、過度の、中央集権制政治にあり、そ
 の政権を奪取し、交替し、その弊を一掃し、代わ
 りに、真の民主主義、真の生活者の為の政治を実
 現する事」にあったと思います。そう致しますと、
 当然のことながら、民主党が志向すべきは、中央
 集権制を打倒し、その対極にある、徹底した地方
 分権政治の実現を図る、と云う事でなければなり



 ません。この場合、中途半端な分権政治に止どま
 りますと、またぞろ自民党の政策と同じ事になり、
 立党の意義を失う事になってしまいます。この様
 な考え方は、過激な革命思想と映るかもしれませ
 ん。然しながら、皆様方は、正に革命の為に立党
 され又、入党されたのではありませんか。この様
 な革命思想を持ち得ない方は即刻離党すべきであ
 りましょう。                
2)そこで、徹底した分権政治とは、先ず行政にお
 いて、外交・防衛等以外の殆ど全ての行政機能を、
 地方に分散し、中央は小さな政府にし、殆ど何も
 残さない、と云う事であります。然も、行政だけ
 では充分な機能を発揮出来ませんから、司法・立
 法につきましても、地域に関する限り、之も分散
 しなければなりません。           
  その結果、地方立法、地方司法も行われ、一種
 の地方国家がブロック毎に十個程誕生する事にな
 ります。これ程の大改革を府県連合だけでやれる
 筈はありません。府県連合だけでやれる範囲は、
 自民党が考えているものと大同小異であり、何の
 意味もありません。こうなると、中央議会は百名
 程度の衆議院と五十名程度の参議院となり、そこ
 での立法のアイテムは、限られた全国的なアイテ
 ムだけとなります。このようになれば、この新し
 い地域国家では、殆ど全ての事が自立自治出来る
 事になります。これこそ真の道州制であります。
 このように高い理想の具体目標と理念を持たなけ
 れば、政権交代を叫ぶ意味がありません。民主党
 が志向すべきは、この「道州制」しかあり得ない
 のであります。この様な革命は民主党にしか出来
 ないし、之こそが民主党の唯一のレーゾンデート
 ルであります。之こそが最大の「道州制の必要性」
 であります。                
3)一方、自民党も、流行に遅れぬよう、隅の方に
 「道州制」と書いておりますが、之は恰好だけで
 あります。何故なら、彼等の本質は、中央集権制
 による強固な集金・集票システムに依つてのみ生
 き永らえている、というものでありますから、中
 央集権制を止め、真の道州制にすれば、忽ち自殺
 行為になるのであります。従って、彼等には絶対
 に、真の道州制は出来ないのであります。民主党
 は、自民党の、そこをこそ突きまくるべきであり
 ます。そして、返す刀で高らかに、道州制実現を
 天下に向け、大合唱すべきであります。マスコミ
 や有権者から、「自民党とどこがちがう?」と言
 われ続けております。「道州制標榜」以外には、
 民主党の根本的相違点を示す事は出来ないのであ
 ります。                  
4)然しながら、有権者の中には、「そのような大
 改革や革命は好まない。」と言う方も居られるか
 もしれません。それは、長年の、泥舟の、ぬるま
 湯に浸かり切って居られるからであります。国に
 大借金が出来、孫この代までの税金を喰ってしま
 い、国民の財産をすり減らし、国は全ての面で行
 き詰まっている事に、気が回っていないからであ
 ります。その蒙を、誠意を持って啓く事こそ、民
 主党の最大の責務であります。勿論、道州制の完
 成には、十年程の歳月を要するでありましょう。
 然しその間、毎年段階的に一歩一歩着実に、ステ
 ップを踏んで構築されていきますので、道州制は、
 決して国民に不安を齎すものではありません。 
                       
(四)次に道州制のメリットと問題点の解決方法を
 申し上げます。               
1)自民党政治により、諸悪が氾濫しているわけで
 すが、その殆どは過度の中央集権制政治の、政官
 業癒着に依る、悪循環の鉄の三角形によるもので
 あります。従いまして、この中央集権制を廃止さ
 えすれば、自動的に殆ど全ての諸悪は取り除かれ
 ます。その諸悪とは、ムダな公共投資・補助金に
 よる税金のムダ使い、贈収賄・汚職、談合・ヤミ
 献金、族議員の横行、一兆円大借金、社会主義的
 経済規制、経済硬直化、国際競争力劣化、金融危
 機、倒産・失業・不良債、デフレ、年金・福祉削
 減、増税、老後不安、環境汚染、教育の荒廃、農
 政不在、新産業育成難、情報不開示、将来展望不
 在、等々幾百幾千と有り、数え上げたらキリがな
 いのであります。然しながら、中央集権制を廃止
 さえすれば、これ等諸悪が一挙に解決するか、そ
 の方向に向う事は間違いないのであります。  
 中央集権制の廃止が、諸悪解消の絶対条件なので
 あります。                 
  そうなりますと、産業のスクラップ&ビルドが
 促進され、経済は活性化し、GDPは増加し、経
 済のパイは大きくなり、税収も増加します。そう
 なると、財政再建や年金福祉等にも、やっと金を
 廻せるようになるのであります。そして、教育の
 自由化も進み、明るい将来の展望と、豊かな国民
 生活が、期待出来るのであります。従いまして、
 この事をこそ、有権者に熱く、誠意を持って詳し
 く説くべきであります。この場合、道州制の説明
 抜きでは、どうやって良くなるのか説明が出来ず、
 単なる言葉だけの、空しい絵空事にしか、ならな
 いのであります。              
2)「道州制になると、地域国家同士の競争になり、
 貧乏州は今よりも厳しくなるのではないか、農業
 等が疎かになるのではないか、」等の心配をされ
 る向きも有ろうかと思います。然しながら、やり
 方次第で、今より遥かに優れた行政を実現する事
 が出来るのであります。今の行政は、この点八方
 塞で行き詰まっております。縦割り横割り、いろ
 んな事が雁字搦めだからであります。道州制だと、
 白紙から、ストレートに問題解決に当られます。
 参議院も、その性格を変更し、この種、道州間格
 差是正や諸問題解決の専門機関にする方法もある
 でしょう。いずれにせよ、いまある六法全書が全
 部書き換えられ、新体制に合致したものになりま
 す。問題解決が、迅速にストレートに可能になる
 であります。                
3)国会議員も150名は中央に残り、他は道州議
 会に回る事になります。勿論、選挙によって選ば
 れますが、州議会の議員は州の事に専念出来ます。
 中央議会の議員は各州より選出されますが、外交
 ・防衛等国全体の事に専従する事になります。現
 状は、727名の国会議員が地元の事と国全体の
 事を、全員が全てやらねばならず、広範囲の事を、
 浅く広く、頭に詰め込むだけで、勉強する時間も
 無く、金帰月来に明け暮れ、疲れ果てて議会では
 居眠り、という酷い状態であります。例えば、米
 国では、一議員に数十人のスタッフがついている
 のであります。道州制にすれば、之等の問題が一
 挙に解決され、夫々の議員が、夫々、真の政治に
 専従でき、正しい国の将来を構築する事が出来る
 のであります。 今議論されている憲法、安全保
 障、少子高齢化等の大問題も、道州制の新体制に
 より、充分時間をかけて、正しく解決する事が出
 来るのであります。             
4)更に、多くの人が見過ごしている最大のメリッ
 トは、道州制と云う新しい地域国家が出来る事に
 よって、経済が独立自立し、対外貿易も完全に自
 由に出来るようになる、と云う事であります。今
 や、世界は好むと否とを問わず、グローバル化時
 代であります。二十一世紀の繁栄方式は一変して
 おります。世界中から、カネ、企業、技術、情報、
 優秀な人材、を呼び込む事が出来るかどうかであ
 ります。これ等を呼び込む為には、国のサイズに
 於いて最適単位が有ります。シンガポール、フィ
 ンランド、スエーデン、デンマーク、インドや中
 国の一部等、世界的に見ても、日本の新しい道州
 程度の人口・GDPのサイズが最適なのであります 
 大き過ぎては、何事も素早くテキパキと、決めら
 れないのであります。賃金の低い道州には、今以
 上に迅速に成長企業が移動して参り、GDPも急速 
 に上昇致します。このように、地域国家の特質を
 生かせば、どの道州も、今までと違って遥かに繁
 栄する事は間違いありません。之こそ、道州制に
 よる、真の豊かな国作りの根源であります。  
                       
(五)以上の次第でありますから、繰返しになりま
 すが、改めて、(一番)「道州制標榜先行型意見」
 を選ばれるか、それとも(二番)「基礎自治体強
 化先行型意見」を選ばれるか、是非、お聞かせ頂
 きたいと思います。先生はご多忙でしょうから、
 秘書の方にて、先生のお考えをお聞き頂き、上記
 にお知らせ頂きたく、お願い申し上げます。 

生活者主権の会生活者通信2005年06月号/04頁