これは「民間にできることは民間に」という意味
の、小泉改革のキャッチフレーズの一つである。そ
の改革の具体的な内容を見ると、郵政民営化や道路
公団民営化に始まり、官業の4割を民営化するとい
うようなものが見られる。
一見すばらしい改革なのだが、そこには大きな落
とし穴がある。
その改革には、官業を直接民営会社にするものも
含まれている。しかし、それでは官業の4割を民業
にすることはとてもできない。そこで、民業にする
手っ取り早い方法としてPFIをあげている。この
方法は、国や地方公共団体の事業を民間に運営させ
る方法である。
PFIはもともとイギリスのサッチャー政権のも
とで行われ、肥大化した官業を民間の資金を有効に
利用し、民業へスライドさせるという目的で行われ
た。同時に行われたことは公務員の人員の削減であ
る。
官業から民業への移管がイコール公務員の削減で
あることは、当然のことである。特にPFIでは、
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ある業務がすっぽりと民間へ委託される。その仕事
がまるっきりなくなるわけだが、日本版PFIなる
ものは、不思議なことに公務員は減らない。
ところで、小泉内閣のマニフェストには公務員の
削減の文字は一言もない。小泉の言っている「官か
ら民へ」は、郵政民営化にしろ、道路公団民営化に
しろ、公務員ごと民業へ移管することに他ならない
のである。
逆に民主党のマニフェストには、4年以内に国会
議員の定数と公務員の人件費を、それぞれ1割削減
するとしており、一定の評価はできる。しかし「公
務員の削減」と書けなかったのは、みなさんご存知
のような理由があるからだろう。
「官から民へ」と甘い言葉に踊らされてはいけな
い。もし公務員が減るようなシステムになっていれ
ば、必然的にある業務を民間に委託せざるを得ない。
考え方が逆なのである。
公務員の削減こそがもっとも主要な課題である。
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