生活者主権の会生活者通信2005年07月号/04頁..........作成:2005年07月24日/杉原健児

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カナダから帰国して

東京都豊島区 吉井正信

 6月6日から6月16日までカナダのトロントに滞
在して、17日に93歳になる母を伴って帰国しました。
滞在中そして帰国してから感じたことを筆の赴くま
まに書いてみたいと思います。         
 今回のカナダ行きは約3年前にトロントに居住す
る二人の姉のところに行った母を本人の希望である
人生の最後を日本で迎えたいという意思を尊重して
出向きました。昨年8月より現地の有料老人ホーム
に入居していました母を早速訪ねました。25平方メ
ートルほどの個室にいた母はこちらの生活の快適さ
を強調し月額約18万円の生活費の安さを自慢してい
ました。約20人の日本人や日系人とも仲良く過ごし、
日本人ボランティアそして片言の日本語を話す現地
スタッフとも毎日明るく過ごしていました。それで
も最後は日本がいいというので聞き入れることにし
ました。                   
 長姉と2泊3日の日程でオタワ、モントリオール
とケベックへ旅行しました。オタワは首都で政治の
中心ですのでそれなりに栄えていますが、モントリ
オールはオリンピックや万博を開催したころの元気
はなく暗く感じました。ケベックはヨーロッパから
の観光客でにぎわっていました。        
 トロントの銀行で日本の新生銀行のキャッシュカ
ードで現地通貨を試しに引き出してみましたところ
TTSレートで決済できました。本当に便利だし、
日本で現金に交換するより割安です。大金を持ち歩
く必要もなく助かります。レストランや買い物はク
レジットカードを使用すればよいし現金の必要性は
低い。ただ面白いことに一部のレストランや店舗で
は現金で支払えば消費税は免除してくれます。脱税
の手助けをしたようです。因みにオンタリオ州の消
費税は15%です。観光客は帰国の際、レシートを提
出すれば税金の還付手続きができます。     
 姉の話によれば、以前ガソリンスタンドに寄った
際に、そこの従業員にクレジットカードを不正使用
されたが、もちろん本人はわからないまま帰宅した
ところ、クレジット会社から留守電があり早速連絡
したところ何某の店でカードを使いましたかと問わ
れ否と答えるとすぐにそのカードを使用停止し新し
いカードを発行してくれたそうです。もちろん被害
はありませんでした。なぜカード会社が不正使用に
気づいたのかはわかりませんが、日本のカード会社
もこのように気配りしてくれたら、かなり不正使用
を減らせるのではないだろうか。姉は今回私ととも
に一時帰国してますが、先日カナダの銀行のキャッ
シュカードで日本の都市銀行で日本円を引き出そう
としたらすべての銀行に拒否されました。唯一引き
出せたのは郵便局のATMだけでした。なぜでしょ
うか。                    
 この時期トロントの日没は20時ごろでそれまでゴ
ルフできます。私も次姉夫婦と13時過ぎからスター
トし17時過ぎに17番まで来たところで、雷が鳴り中
止のサイレンであがったところ、その日のラウンド
費は無料になりました。パブリックコースだったか
らかもしれません。その晩はトロントのプリンスホ
テルに行き炉辺焼きをみんなで楽しみました。その
ホテルはコクドの関係で近じか売却の運命になって
いるようです。                
 そのような数日を過ごし、現地時間16日の昼にト
ロントををあとにすることになりました。杖を使用
している母が空港に到着すると、早速関係者が車椅
子の必要性を聴きに来て、飛行機に乗り込むまで付
きっ切りで面倒を見てくれました。エアカナダもす
ぐに日本に連絡し成田空港での車椅子使用の手配を
してくれました。14時間近くのフライトには疲れま
したが、このような待遇を受けると疲れも忘れます。
 足の弱った母を伴って東京の街に出てみたら不便
さや不親切なところが目立ちました。電車の乗り降
りにしてもエレベータのある駅とない駅、またあっ
ても不便なところにありそこまでたどり着くのが大
変です。やっとたどり着いてエレベータであがり、
乗り換えようとしたら、エレベータもエスカレータ
もない有様です。また電車に乗っても93歳の杖をつ
いた老人のために席を開けてくれる人は少なく、お
願いしてやな顔をされてやっと座らせることができ
ます。こちらも出来るだけ空いている時間帯に外出
しますが、空席を見つけることは困難です。外国で
は言われなくてもすぐに立ち上がって席を譲る人が
多いのにと思うと、情けなくまた怒りがこみ上げて
きます。                   
 母は先日有料老人ホームに入居しました。一時金
約450万円と月額約25万円の生活費と、私が1時間以
内で行けるという条件で探し、かつ最後まで面倒を
見れる施設では良いところを見つけたと思っていま
すが、トロントの施設の広さや安さとは比較になり
ません。向こうは一時金を取りません。     
 最初は母を老人ホームに入れることに抵抗感があ
りましたが、施設を見学したりしてからはそのよさ
も理解できるようになりました。        
 この3週間の出来事を感想も交え書いてみました。
乱雑な文章になりました。最後まで読んでいただき
ありがとうございました。           

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