生活者主権の会生活者通信2005年09月号/01頁 ..........作成:2005年09月01日/杉原健児

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生活者通信【9月号】

第121号・2005年09月01日発行   ホームページ・アドレス http://www.seikatsusha.org/
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発行人・編集委員:小俣一郎/編集委員長:杉原健児/副委員長:峯木 貴
編集委員:岡部俊雄・治田桂四郎・松井孝司・吉井正信
事務局:〒182-0014 東京都調布市柴崎 2-13-3 つつじが丘ハイム C509 杉原健児
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マニフェスト勝負!

生活者主権の会代表 小俣一郎

 「衆議院の解散」が突然降ってきた。
 今期の活動方針『政権交代の実現に貢献する』は
幕が開いた途端にクライマックスを迎えてしまった
のである。
 それにしても思いがけない解散であった。小泉さ
んがここまでやるとは思わなかった。小泉さんは、
マニフェストを理由に身内を切り捨ててしまったの
である。
 しかし今回の混乱は、郵政民営化について、自民
党がマニフェストの表現を玉虫色のあいまいなもの
にしていたことが原因であり、そもそもの責任は自
民党総裁である小泉さん自身に存在するのである。
 マニフェストとは「事後検証可能な公約」のこと
であり、「数値目標・期限・財源・実現手段などを
具体的に明記」したものでなければならない。そし
て選挙前にその内容を示し、それにより国民の信任
を得るためのものである。今回の騒動は、マニフェ
ストと呼びながら、それがその本質的要件を満たし
ていなかった結果だとしか言いようがない。
 ただ、遅ればせながら、今回の総選挙では自民党
は郵政民営化反対者は公認しないと決めた。欠席・
棄権した議員は慌てて賛成に回り、小泉さんの軍門
に下った。その手法、その姿勢等々についてはいろ
いろと議論があろうが、これにより、マニフェスト
的にはよりはっきりしたことは事実であり、自民党
と、前回も今回もマニフェストを承認しない候補者
を公認しない民主党との間で、『政策選択』を前面
に出した選挙が展開されることになった。
 今回の選挙を小泉さんは「郵政民営化選挙」だと
強調する。小泉郵政民営化への賛否を主題とするこ
とで選挙を有利に展開したいのであろう。しかし、
総選挙は今後4年間の政治を左右する選挙であり、
それが単品メニューで決められるわけはない。あく
まで、自民・民主どちらのフルコースを国民が選択
するかである。それを国民が錯覚するとそのツケは
国民自身に返ってくることになる。       
 この解散直後、小泉政権の支持率は上がった。今
度こそ期待に応えてくれるとの思いからかもしれな
い。しかし、この4年間の小泉政権の実績から考え
て、私にはそのような期待を持つことはできない。
『既得権』という「しがらみ」のある自民党に改革
という大胆な絵が描けるとは、「官僚支配」を脱却
できるとは、どうしても思えないからである。  
 一方、民主党は「政権500日プラン」を打ち出
し、自民党ではできない『脱官僚』の手順を明示し
た。具体的なことをはっきり示し、選挙の洗礼を受
けることにより、マニフェストを「官僚を動かすた
めの武器」にしようというわけである。     
 「小泉自民党」を選ぶか、「岡田民主党」を選ぶ
のか。「自民党」しか選択肢がなかった時代と異な
り、国民は現在選択ができるのである。今後4年間
の国政をどちらのマニフェストに委ねるのか。郵政
民営化のみではなく、全体をよく吟味して選択する
必要がある。そして、政策が前面に出た分、今回の
騒動でも明らかになったように、国民自身もその拘
束をより強く受けることになるわけで、その自覚を
持って選択することが国民に求められている。  
 そして、民主党が魅力あるマニフェストを国民に
示し、それをしっかりと国民に伝えることができた
ときに、『政権交代』が実現することになる。  

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