生活者主権の会生活者通信2006年03月号/02頁

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もう一人の民主党代議士の誕生を目指して!

東京都渋谷区 岡部 俊雄

 「生活者通信」本年1月号の巻頭言で小俣代表が述べているように、前回の総選挙での民主党の
大敗にかかわらず、当会の掲げた「政権交代の実現に貢献する」という旗は降ろさないということ
になった。
「政権交代の実現」とは、国会で民主党が過半数の議席を取ることである。衆議院でいえば241
議席である。現在113議席であるから、あと128議席必要である。
 12月20現在、次期総選挙のために民主党が公認を内定している候補者は66名である。現職
を当選させることを大前提として、先ずこの66名全員を当選させることが必須である。それに上
乗せすること62名で目標の241議席となる。
 これは大変な数値である。
 先ず党には良い候補者を選定してもらわなければならないが、当会は現職を磐石なものにするこ
とを大前提に、現在の公認候補内定者の全員当選を目指して、一歩一歩の活動をしなければならな
い。

 そういう思いで、先日、私が長く仕事をしていた信州飯田に行ってきた。
 長野5区で公認候補の一次内定を得た、上の66名中の1名である加藤がく(学)さんの新年会
に出席するためである。
 長野5区は、民主党の新人が2回連続して落選して、公認取り消しとなり、03年の総選挙以後
民主党公認候補不在の状態が続いていたが、05年の総選挙に当り急遽県連が目を付けた新人と立
候補の交渉をしたが、土壇場で断られた。急ぎ公募に切り替えて、公示の1ヶ月前に当時
JETROの職員でインドネシアで在勤中であった加藤がくさんがインドネシアから応募して、公
認されたものである。
 残念ながら、準備期間が殆どなく、大変な逆風もあり、地盤・看板・カバンのある自民党二世が
再び議席を取ってしまった。それでも03年の総選挙でその時の公認候補が取った票を2千票上回
る好成績であった。
 加藤がくさんには次の総選挙で必ず当選してもらわなければならないと考えていた矢先、昨年12
月の民主党大会で、たまたまがくさんが私の席の近くに座っていた。私が目下後援会長を務めてい
るながつま昭さんにも紹介したが、その時長野5区での知人の紹介を依頼された。
 早速大勢の知人を紹介したが、加藤がくさんはその方々を順に回ったらしく、次々に反応があっ
た。その時1月末に加藤がくさんの新年会があるので、一緒に参加しないかとのお誘いがあり、私
の知人が活動してくれるきっかけになればと思い出席を決めた。

 飯田までは新宿から高速バスで4時間15分の道のりである。南アルプスを避けて道がついてい
るため結構時間がかかる。
 南信州のことは「生活者通信」の03年5月号と6月号に「南信州の住民自治を訪ねて」と題し
て連載された私の記事がある。そこでも述べているように、南信州は大変自律意識が高く、信州人
特有のもう一歩踏み込んで考える気質を持っている。政治のことは難しくて良く分からない、と言
いながら案外本質的なところをつかんでいるという土地柄である。志の高い民主党代議士が輩出さ
れて然るべきところだと思っている。

 さて、その新年会であるが、予想通り挨拶の連続である。乾杯、万歳の挨拶まで入れると11人
が挨拶した。その中の一人がなぜか私である。ながつま昭本人ではないのだからと固辞したが、既
に挨拶者名簿に入れられており、コピーが配られてしまっているのでやむを得ずお受けした。
 ながつま昭の後援会長が何ゆえ加藤がくさんのパーティーに出席しているのかという話をやや面
白く話したのが良かったのか、結果として私の話が一番受けたようだ。事務局の方からも会に花を
添えて頂いたと感謝された。そこまで言われると逆に私の方が嬉しくなる。はるばるやって来た甲
斐があったというものだ。ながつま昭本人が来ればもっと盛り上がったことだろう。地方の無名の
民主党公認候補内定者の選挙区はこの程度の刺激をも渇望しているのかもしれない。
 出席者から地方の生活者の声をいろいろ聞いた。例えば、「格差が広がっている。弱者にもっと
目を向けるべきだ。」、「地方と都市部のスタートラインの差を縮めるべきだ。」、「今の田中知
事は県民から遊離している。」、「燃料の値上がりを運賃に全く転嫁できない。運送業は瀕死の状
態だ。もし高速道路が無料なら燃料の値上がり分が吸収できる。」等々である。都市部の生活者に
は話はわかっても、実感できない声かもしれない。
 挨拶を聴いたり、参加者の顔ぶれを見る限りでは、選挙戦そのものは党や連合が手足となってく
れて不自由なく進められそうである。しかし、婦人部長という方の話では「加藤がくさんの支持基
盤を広げるために、普段の活動を具体的にどうすればよいのか悩んでいる。」とのことで、どの民
主党候補者にも共通する本質的悩みがここにもあるようだ。むしろ、悩んでくれる支援者がいるだ
けでも立派な支持母体かもしれない。
 私も知人を鼓舞することによって加藤がくさんを支援していきたいと思う。

 繰り返すが、「政権交代の実現」は当会の旗印である。一人の新しい代議士を誕生させることは
決して容易なことではない。しかし、当会の会員全員が自分の何かの縁につながるもう一人の民主
党代議士の誕生を目指して活動すれば意外な結果が得られるかもしれない。


    加藤がくさんのプロフィール

      1968年生まれ。上田高校、早稲田大学商学部卒
      1993年 NHK入局(報道番組ディレクター)
      1996年 マレーシア国立マラヤ大学大学院修士課程留学(経済学修士)
      1998年 ロンドン大学(SOAS)大学院経済学専攻博士課程留学
      2001年 日本貿易振興機構(JETRO)アジア経済研究所入所、同研究員
      2004年 国際機関・国際林業研究センター(インドネシア)客員研究員
      2005年 民主党候補者公募を経て長野5区より総選挙に立候補
          URL http://kato-gaku.smilecube.net

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