生活者主権の会生活者通信2006年04月号/11頁

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皇室典範改正について

東京都文京区 岡戸 知裕

皇室典範改正に以下の理由で賛成します。
1)男系に限ると現在と同じように将来も世継ぎの問題が必ず発生してきます。
一夫一婦制度では、例え宮家があったとしても生物学的に不可能な制度だと思います。
2)昔は女御という所謂側室が男系維持を支えていたわけですが、現代ではその伝統を守ることは
不可能です。例えば桓武天皇は23人。嵯峨天皇は24人の側室をもっていたなど。男系の伝統を
守るということは、側室という伝統も守らないといけない訳です。近年では明治天皇と大正天皇は
側室からの出生です。
3)宮家から世継ぎを出すことも良い制度だと思います。江戸時代にはこの世襲親王家から天皇が
出ていますが、現状をみても分かる通り、この制度もあまり頼りになりません。
宮家については戦後GHQによって大幅に削減され、同時に側室の制度も廃止されましたが男系の維持
だけは認められて現在に至っています。戦争直後ということもあり、何かしらGHQの意図を感じざる
を得ないようです。
4)男系論者は伝統といっていますが、日本の伝統の多くは中国から移入されたもので日本独自の
ものは少ない訳です。移入された伝統も日本にあったものだけを移入しています。よって中国の宦
官の制度などは日本にはありません。
伝統というのは、昔もそうであった様に、その時代に合わせて変化させてゆくのが本来の伝統の意
味であると思います。
明治維新はその意味で大きく日本の伝統を変えてゆきました。
例えば現代の天皇制は明治維新の時に出来上がりましたが、江戸時代の京都の住人は天皇がいると
いうことは知っていても、京都以外の地域では天皇の存在自体知らない人が多かったようです。そ
れが明治維新以降現人神となり、天皇の為に死ぬことが名誉なこととされた訳です。
結論を言えば現代の国際常識、国際慣行という背景の中で日本独自の天皇制を維持しようとしたな
らば、やはり伝統を作り変えてゆかなければなりません。
よって男系に限る必要は、現代では全くないと思います。むしろ皇室は明治以降英国の王室をモデ
ルとしてきているわけで、国際的な見地からしても女性の天皇であった方がむしろ望ましいと思い
ます。
5)男系を維持しようとすると皇室に嫁いだ女性たちに不要な心理的圧力をかけることになり、国
民にとっても皇室にとっても健全な制度とはいえません。
6)現代において性別は全く意味を成しません。むしろ個人の資質を問題とします。
大正天皇の事例にもあるように天皇としての資質に問題があるかないかの方がむしろ問題です。 

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