生活者主権の会生活者通信2006年06月号/01頁

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生活者通信【6月号】

第130号・2006年06月01日発行   ホームページ・アドレス http://www.seikatsusha.org/
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発行人・編集委員長:小俣一郎/副委員長:峯木 貴
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なぜ共謀罪法案成立を急ぐのか?

生活者主権の会代表 小俣一郎

 政府・与党が共謀罪法案の成立を急いでいる。
 この法案はその内容が知れ渡るにしたがって、日
増しに反対の声が高まっている。なぜそれほど急ぐ
必要があるのだろうか。
 先の総選挙で自民党は大勝し、与党で3分の2を
超える議席を獲得した。小泉さんは「郵政解散」と
銘打ち、国民に「郵政民営化是か非か」と問いかけ
た。そして多くの国民はそれに賛同した。しかし、
共謀罪について賛成したわけではない。
 確かに、自民党のマニフェスト「120の約束」
の中には「74.テロの未然防止と対処能力の強化」
という項目があり、「国際テロから国民を守るため、
出入国管理や爆弾テロ対策を強化するとともに、空
港や鉄道等の警戒警備を徹底する。また、テロの未
然防止のための法整備を進める。」と説明がつけら
れている。今回の共謀罪法案はこの法整備のことな
のだろうが、その文面からは今回提出の内容を読み
取ることはできない。
 もちろん、代議制であるから与党の判断で新しい
法案を成立させていくこと自体に異を唱えるつもり
はない。しかし、郵政民営化については、マニフェ
ストの1番目に「参議院において否決された民営化
関連6法案を次期国会で成立させる」と明記されて
いるが、共謀罪についてはその文字すら見当たらな
い。共謀罪法案は事前に国民の合意を取り付けた郵
政民営化法案とは大いに異なるのである。その成立
には慎重な審議が必要である。しかもその適用対象
の不明確さに多くの国民が不安を感じている現在、
その必要性は他の法案とは比べものにならない。
 河野衆院議長の仲裁で5月19日の委員会での強行
採決はひとまず回避された。政府・与党はマニフェ
ストに明確に打ち出していないという事実を十分に
自覚し、慎重の上にも慎重に、継続審議という選択
肢も念頭に置いて議会運営を進めるべきである。

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