生活者主権の会生活者通信2006年06月号/02頁

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小沢新民主党への提言書

道州制実現推進委員会 委員長 平岡 昭三

 小沢新代表になり、千葉7区での補欠選挙に勝利し、民主党に反転攻勢の機運が高まって
きましたが、当道州制実現推進特別委員会では、小沢新代表及び幹部宛に、5月1日に下記
の提言書をお送りし、改めて道州制の推進を訴えました。

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民主党                                  H.18.5.1.
代表 小沢一郎 様     生活者主権の会 道州制実現推進委員会 委員長 平岡昭三
幹部 各位

                            小沢新民主党への提言書 

 私共は、貴党結党以来一貫して貴党を支援し、提言をも重ねているわが国唯一の市民運動の
会であります。今回の新体制の出現を、待ちに待っておりました。そして、このたびの千葉初
陣大勝利を、心からお喜び申上げます。そして茲に、今度こその政権奪取必勝の為の王道を、
謹んでご提言申上げます。

                    (目次)
(一)自民党政治の諸悪の実情を、有権者に徹底的に説明し直すべき事。
(二)諸悪の根絶には、どういう基本政策を確立すべきか徹底議論の事。
(三)基本政策を草の根の有権者とマスコミに浸透さすには、どうすべきかを徹底的に考える
   べき事。

(一)諸悪の徹底説明:
 政権奪取のためには、二つの実践事項が不可欠であります。一つには、統一された基本政策
の確立であります。二つには、民主主義の原点であります有権者への草の根の説明であります。
そしてこの二つの事をどう旨く結びつけるかが、成否の鍵であります。
 基本政策は、当然のこと乍ら、有権者を苦しめている自民党政治の「諸悪」を、「私共にお
任せ下されば必ず根絶し、有権者に真の豊かで安心の共生の生活を約束致します。」と言うも
のでなければなりません。それを考える為には先ず、「諸悪」の実情を徹底的に整理し、項目
別に箇条書きに並べましょう。この点を軽視してはいけません。従来この整理・説明不十分な
為、「諸悪」が之だけ充満しているにも拘わらず、有権者の多数は未だに「自民党の政治はそ
う悪くない。」と思っています。之こそ貴党の責任であります。本来、国会では、発言する全
民主党議員は、先ず冒頭に「1千兆円の大借金の責任は、歴代の自民党の政治にあると思うが、
その責任は誰がどのように取るのですか?」と繰返し叫ぶべきなのであります。そうすれば、
有権者ももうちょっとは気が付くでありましょう。世界一の米国の選挙コンサルタントが言っ
ております。「選挙必勝の要諦は、相手を徹底的に叩く事である。之は万国共通だ。」幸い、
自民党の長年の過度の中央集権制の、政官業の癒着による諸悪の弊害は、下記の如く幾らでも
あります。
 税金ムダ使い、補助金バラ蒔き、ムダな公共投資、贈収賄、談合、天下り、ヤミ献金、族議
員横行、一千兆円大借金、金権選挙、規制不緩和、官僚統制、見せ掛け地方分権、福祉・年金
削減、保険料値上げ、増税激増、環境汚染、老後不安、格差拡大、教育荒廃、詰め込み・虐め・
不登校、少年犯罪、衰退産業過保護、交通渋滞、通勤地獄、情報不開示、将来展望不在、等々
この他、お気づきの点は幾らでも追記すべきでありましょう。勿論、見せ掛けのインチキ小泉
改革は幾らでもあります。
 郵政民営化、道路公団改革、特殊法人改革、公務員改革、道州制改革、三位一体改革、年金
改革、規制改革、特区改革、等々全てニセ物であります。「有権者の皆様!之でも自民党政治
の方が宜しいんでありましょうか?皆様はこの政治の恩恵を蒙っていると、お考えでありまし
ょうか?」この事を、繰り返し繰り返し、草の根とマスコミに説明しなければなりません。そ
して、その事の浸透に成功すれば、目的の半分は達成出来たと同じであります。説く人によっ
て重点の置き所が違っても宜しいですが、以上の点は全項目に渉って言及すべきでありましょ
う。

(二)基本政策の確立:
以上の説明でお解かりの通り、あるべき基本政策は、大きな政府による中央集権制、官僚政治
による「諸悪」の廃絶とその対極にある地方自治の確立とそれに基づく共生社会の創出であり
ましょう。その重要項目を列挙すれば次ぎの通りであります。
 1.基礎自治体の整備・強化
 2.基礎自治体及び広域自治体の真の改革
 3.大きな政府の解消
 4.国会の再編
5.基本認識

1.基礎自治体の整備・強化;
 基礎自治体のベースである市町村は、3,232から1,821に整備されました。しかし
未だ未だ不十分であり、更に300程度に整備・強化されるべきであります。そして、地域の
事は、そこで全て処理できるように、税金その他全ての権限を中央から地域に移譲しなければ
なりません。

2.基礎自治体及び広域自治体の真の改革;
 そこで問題になるのは、広域全体の政治体制をどう策定するかであります。全国を十個ほど
の広域に分けて考えてみた場合、その広域全体の政治体制は基礎自治体だけでは処理しきれま
せん。そこで考えられるのは、道州制であります。一昨年の党大会の時、私は小沢代表に道州
制についてどう考えるか質したに対し、代表は「良い道州制は良いが、悪い道州制はよくない。」
と禅問答のようなお答えでありました。この点について代表は考え方を、余りマスコミにも開
示しておられません。大いに興味のある処であります。私の推量では、恐らく道州制には余り
積極的には、賛成ではないんじゃないかと思います。そして、広域の政治について、その在り
方を種々お考え中の事と存じます。私共と致しましては、中央集権制を根本から改めない限り、
諸悪は解消せず、共生の政治は決して実現しないと思っております。又、基礎自治体だけでは、
広域の政治は決して成り立たないし、何等かの広域政治体制が不可欠と考えております。そし
て、その場合、行政・司法・立法の三権の全てについて、広域に関する限り、そこの相当な権
限を与えなければ、中央集権制の解消にはならないと、思っております。そして、一番大事な
事は、確りした道州制のような組織を作れば、そこが一種の地域国家となり、経済の活性化、
社会の安定ひいては国民の共生に著しく寄与するであろうと考えます。道州制は地域格差・所
得格差是正のためにも、不可欠の制度であろうと考える次第であります。このような具体策が
なければ、折角の「共生・格差是正」のテーマも、説得力を欠く事にもなりましょう。
 以上は、私共が道州制を希求する所以のものであります。道洲と基礎自治体との権限の分け
方は、弾力的に考え、自治体地域の事は極力自治体に任せ、広域の事だけを道州で処理する事
にすべきでありましょう。

3.大きな政府の解消;
 基礎自治体の強化だけでは、中央の巨大な官僚機構はなくなりません。外交・防衛以外の中
央省庁は殆ど整理・解消し、全国家的業務のみを残す事とし、後は地域に権限を移譲しなけれ
ば、諸悪や大赤字の解消にはなりません。

4.国会の再編;
中央政府組織の改変と同時に重要な事は、国会の再編であります。地域の事は道州や自治体に
任せ、国会は天下・国家の事のみを議する事になりますから、当然縮小再編すべきであります。
衆議院は各道州から十名宛、合計百名程度の議員数にすべきでありましょう。参議院は道州格
差是正のための組織に改変する事も考えられましょう。

5.基本認識;
 以上の大改革は、当面、現憲法の範囲内で大半実現可能と思われますが、不能なものは改憲
後に回してもよいでしょう。何れにせよ大事な事は、地方分権問題以外の政治的大テーマであ
る憲法、安保、外交、防衛、経済、環境、福祉、財政、教育、等々の諸問題に関する党の基本
政策につきましても、全てこの新しい「国会、中央省庁、道州、基礎自治体」に関する大改革
を前提に、それをベースに立案・検討・討議し、結論を創出する事が肝要と考えます。以上の
検討の基本認識は、「格差是正と共生」「小さな政府と道州制」「規制緩和と経済活性化によ
る豊かな生活」の三点だと存じます。

(三)基本政策の浸透方法;
1.今回の千葉選挙では、新体制による草の根運動の手法の一端を垣間見る思いが致しました。
草の根の説得は、確立された党の基本政策をいかに深く浸透させるかであります。それは全候
補者、全関係者が、全有権者、全マスコミに対し金太郎飴の如く、異口同音に同じ基本政策を
説明するものでなければなりません。勿論之に付随して、自己の主張を夫々が説く事は構いま
せんが、先ずは党の基本政策の浸透であります。従来、自己主張ばかりで、之がありませんで
した。簡単な、同じチラシで徹底浸透を図ろうではありませんか。 

2.然しながら、有権者の中には、主に自民党を支持するノイジー・マイノリティー即ち官業
及び公務員、第一次産業従事者、地方都市及び地方住民、高齢者、既得権益団体、規制業界等
と、主に民主党支持層又は無党派層であるサイレント・マジョリティーの民間企業及びサラリ
ーマン、第二次・第三次産業従事者、大都市及び都市部住民、若年層等があります。その夫々
に対しては、説明すべき重点が自ずから違います。どうすればよいか。前述のチラシの表面に
新民主党の基本政策が並びます。その裏面に冒述の自民党の諸悪をAB二列に分けて列挙致しま
しょう。A列には、サイレント・マジョリティーに重点的に語りかけるべき項目を並べましょ
う。B列には、ノイジー・マイノリティー向けのものを並べましょう。
 このようにすれば、一枚の紙の裏表だけで党の考えが、草の根の有権者とマスコミに全て浸
透致します。この紙を一億枚用意致しましょう。

3.そして一番大事な説明は次ぎの通りであります。「皆さん!一番大事な事を申上げます。
世の中に溢れております色んな諸悪は、自民党では絶対に解消出来ないと云う事であります。
何故なら、諸悪の原因が全て、自民党が依って立つ、中央集権制による政官業癒着の集金集票
システムによるものでありますから、之を止めると云う事は、自分で自分の首を絞める自殺行
為になりますから、絶対に出来ないのであります。之に対し、民主党は中央集権制を解消し、
代わりにその対極にあります、真の地方分権制を徹底的に行いますから、諸悪が起こりようが
ないのであります。之こそ、自民党と民主党の最大の相違点であります。皆さん!どちらを選
ばれますか?ここの所をようくお考え頂きたいと思います。ご静聴有難うございました。」
 全関係者は全て、以上の説明を必ず最後にやって頂きたいと存じます。

 以上が私共の提案する政権奪取のための王道の提言であります。
 

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