竹中総務相が、小泉内閣総辞職に伴い、参議院議
員も辞職することを表明した。この会報がお手元に
届いたときには、既に辞職されているはずである。
竹中さんは約5年半の小泉内閣の全期間を大臣と
して支えた唯一の人である。そして、小泉構造改革
の旗振り役としてその先頭に立ち、内政において、
小泉色を鮮明にさせた人でもある。その人が、内閣
だけではなく、国会からも去っていく。
国会議員であれば、状況の変化によってはまたそ
の力が必要とされ、内閣に復帰することもあったか
と思うが、議員辞職によりその可能性はなくなった
と言えるだろう。
小泉構造改革がこれまでの流れを大きく変えるこ
とができたのは、竹中さんがぶれなかったからであ
る。小泉さんは、総論は出すが、各論は丸投げであ
り、それを受け止め実行した竹中さんの存在があっ
たからこそ、それなりの成果を得ることができたの
だと思う。
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学者出身の竹中さんは、特に就任当初は、色々な
方面からかなりのバッシングを受けた。が、それら
をはね返した。学者ゆえに各論にも強く、また論争
にも強かった。また、政治的なしがらみもなかった
ので、それでぶれることもなかった。
もちろん、小泉さんが首相であったからこそその
力を存分に発揮することができたのであり、今回の
行動もそれを自覚しているからだと思うが、自民党
内に止めようとする動きはなかったのだろうか。
小泉内閣は、小泉純一郎という強烈な個性を、こ
れまた強烈な個性の竹中平蔵が支えて5年半に亘っ
て運営されてきた。国会を去ることによって「竹中
時代」は完全に終焉を迎える。これからの自民党内
閣には、竹中さんというつっかい棒はなくなるので
ある。今後の自民党政治はどのように変化していく
のであろうか。
そして、安倍新内閣では、誰が竹中さんの役割を
担うのであろうか?
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